10月4日(日)保全センター新館レクチャールームで平成21年度野生動物救護ボランティアの修了式が執り行われ、神奈川県獣医師会 副会長 鳥海弘先生より一人ひとりに「野生動物救護ボランティア証」と修了証が手渡されました。
また当日は県立生命の星・地球博物館の広谷浩子先生の研修会「樹洞にくらす生きものたち」と野生動物救護の会の高橋恵さんの夏休みアメリカ滞在体験談「ハクトウワシに会えたーアメリカ野生動物救護現場から」も同時開催され多数の方々にご参加頂きました。
参加された方々から感想が届いています。
(丹治由美さんより)
新しい建物で行われた修了式では、修了証と神奈川県野生動物救護ボランティア登録証を全員に手渡しでいただき、身の引き締まる思いがしました。
保護されてきた動物たちが、元気な姿で本来いるべき場所に戻れるよう、微力ながらお手伝いできればと思います。
さらに修了式の後に実施された研修会、大変勉強になりました。
以前、仕事でコウモリの展示に携わったことがあり、樹洞はコウモリのねぐらだな〜ぐらいにしか認識していませんでしたが、樹洞に焦点を絞った今回のお話を伺うと、改めて生き物が生息するしくみの中で大切な環境と考えさせられました。
広谷先生からは、樹洞のしくみや生き物の利用実態、博物館では研究成果を展示にするまで3〜4年かかるということや、展示物の裏話、トチオ(展示されている樹洞の愛称)との出会い、ハンズオン展示の工夫など、興味そそられるお話を沢山いただきました。
なかでも印象に残ったのは、立派な樹洞がある1本の木にセンサーカメラを設置したところ、ヤマネ、アカネズミ、テン、コウモリ類、鳥類などが記録されていた。夜のその場所は生き物たちにとって魅力的な場所、というお話でした。そこは食うか食われるかの世界で、まさに生命がぶつかりあう場ですが、生き物のにぎわい、というか活気が想像でき、わくわくしました。
また、樹洞を利用する代表格・ムササビのお話もありました。ムササビ観察会には募集定員をはるかに超える申し込みがあったとのことで、生き物に対する関心の高さが伺われました。私が在住する三浦半島では、残念ながらムササビは地域絶滅した可能性が高いと言われていますが、最近、近所でフクロウの声を耳にしました。まずは私も近隣の森や緑地、神社などの樹洞探しの旅に出ようかなと目下、計画中です。
(小松美絵さんより)
樹洞について、樹洞を使う動物について、とてもわかりやすい話でした。
特に樹洞の出来方は、あまり知らなかったので勉強になりました。
木が傷つき穴があくという、木にとっては多少マイナスなことも、動物たちにとってはとても大切な生活の場となり、自然には無駄なものがないんだと改めて感じました。
他にも特別展開催までの過程の話を聞き、人に伝えることの大切さと大変さがわかりました。
(浅見順一さんより)
めぐチャンの短期米国留学の報告を聴いて10年位前に横浜ランドマークタワー17
Fでミネソタ州立猛禽センターのハッカビー教授の講演を聴いた時の事を思い出した。
詳細は忘れたが放鳥出来ないと判断された鳥は安楽死されると聞いたのが強く心に残り帰途友人と「やはり日本人と米国人の意識の違いかな」と話し合ったのだ。
だが、今回の帰国談で実際には米国でも長期保護される鳥がいることを聞き、生息環境に近い状態で飼育されている写真を多数見ることが出来安堵した。
また野鳥の保護施設に関して日本と違い猛禽類と小鳥類を別々の施設で保護・救護するなど非常に興味深いことを知った。
年間6〜8000頭/羽の収容数ということで広大な土地と日本との単純比較は無理だが施設の規模とそれに関わるスタッフ、ボランティアの多さに驚かされると共に施設までの通勤又は通いも大変だと思った。