2013年4月23日(火)東京農業大学の安藤先生より声がかかり、今年も141名の学生(農学部 バイオセラピー学科 1年生)を対象に「野生動物救護とボランティア」という題目で講義しました。


  当日参加した4名が分担してスライドや動画を使って熱く語ってきました。
最初に神奈川県における野生動物の救護状況を実例を交えて説明しその後、自然環境保全センターの野生動物救護ボランティア制度についての説明と実際の活動内容について、野生動物救護の会としての様々な活動内容の説明、特に秦野図書館における衝突調査については 現場の様子や今までの実績、今後の展望もなど含めて話しました。最後にケガから回復した、猛禽類のリハビリの様子から放野までを苦労話なども交えながら説明した後、長期飼養中のコミミズクのロンくんを披露しました。
  学生さんたちは、私語もなく真剣な表情でそれぞれの話に耳を傾けてくださり、次々に映し出される野生動物たちの写真を興味をもって見てくれていたように感じました。


最後にロンくんが登場した際には「ワ〜!」と大きな歓声があがり、皆さん興奮した様子でした。授業終了後には大勢の学生さんたちがロンくんを取り囲み、代わる代わる写真撮影を行うような状況で、 やはり生体の持つインパクトは大きな物があると実感しました。
  今回、野生動物の置かれている厳しい現状と、救護の会がボランティアとしてどのように野生動物と関わっているかについて講義させていただきましたが、私たちの話を聞いて、若い学生さんたちが少しでもこの分野に興味を持ってくれたらとても嬉しいことだと思います。
  このような貴重な場を提供してくださった安藤先生に、改めてこの場を借りて深く感謝申し上げます。


以下は聴講してくれた学生さんの感想の一部です。


誤認保護の話を聞いて、動物の子どもが1匹でいるからといって保護するのは
間違っているということはしっかり認識しとかなきゃいけないことだし、
全ての人がわかっておくべき事だと思った。
鳥が窓ガラスにぶつからないようにする対策があるのを初めて聞いて、そうすることで少しでも事故が減っていて
早く日本でもそういった対策が広まればいいと思った。

ボランティア論の講義を聞いて、人間によってもたらされたことによる野生動物の負傷の画像を見ると、心が痛みました。
野生動物のボランティアにも様々なボランティアがあることにも驚きました。
先生方の野生動物を1匹でも多くの命を救い野生に返すという姿勢を見て感銘を受けました。

人間が便利に生活していく中で傷つく動物たちが増えているというのはとてもおかしいことだと思う。
動物たちがいい環境で過ごしていけるように人間が何をすべきなのかを考えていくことが必要だと思った。
それを見つけるためにも、ぜひこのボランティアに参加したいです。

1人1人の認識が甘いせいで、犠牲になる野生動物がいるので、もっと広く
現状を知ってもらうべきだと思っています。保護することにも興味がわきました。
事故が起きる前の対策についても、考えたいなと思いました。

小学生から高齢の方まで、今まで野生動物に関わりのなかった方まで、
ボランティアに参加していることがすごいと思う。
救護するだけではダメで、事故を防ぐようにすることが大切だということが印象に残った。

野生動物の救護の中で一番多いのが鳥類ということを初めて知りました。
窓ガラスにぶつかったりするバードストライクという原因や、
対策として紫外線塗料などがあることを知りました。
自分の家でもたまにあることなので、ぜひ使用したいです。

		
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東京農業大学「野生動物救護とボランティア」講義の報告
会場の様子
今回の講師陣
長期飼養中のコミミズクのロン