5月20日(土)、厚木市役所第2庁舎16階会議室にて、第10回定期総会および10周年記念講演会が開催されました。会場側の都合で、開催間際に場所変更と言うアクシデントには見舞われましたが、第2庁舎16階は、厚木市内、丹沢が一望出来、新たな一歩を踏み出すに相応しい場所でした。今年は設立10周年という一つの節目の年であり、受付では設立10周年記念手ぬぐいを出席者の方にお渡しいたしました。理事でもある平沼さんデザインのとてもかわいらしい特別手ぬぐいです。
総会の出席者は21名で、平成28年度の活動報告・決算報告、平成29年度の活動予定・予算案が承認されました。また役員改選時期に伴い、再任を含む新役員も承認されました。
総会後は休憩をはさみ、副理事長でもあるプロカメラマン佐藤信敏氏による10周年特別記念講演会「写真から読み解くツバメの現状(福島ツバメの調査報告)」が行われました。
佐藤氏が福島で撮影されたツバメの写真とともに、現状の報告がされました。白斑が見られる個体や尾羽に異常がある個体の写真もありました。民家が無くなったり除染の影響で巣が落とされたりした場所は、住む環境が失われたことでツバメも激減しているとの事。ツバメも人との生活と密接につながっており、人々の復興と共に、ツバメの復興もこれからであるという話はとても印象的で、参加者からは多くの質問が寄せられました。
任意団体からNPOを立ち上げ、あっと言う間の10年、やりたい事、やるべき事は
まだまだ沢山あります。
私達は、今、新たな気持ちで、さらなる一歩を踏み出して行こうと思っております。
これからも野生動物救護の会を、どうぞよろしくお願いいたします。
講演会の感想の一部を紹介します
ツバメという身近な鳥だからこそ、震災の影響を大きく受けてしまったのだということが分かった。除染のやり方やひとの対応によってツバメの生存に顕著に影響が現れているので、人間のエゴで生活環境を変えてはいけないと改めて感じた。
3.11から時間が過ぎ、あの時の記憶がうすれてしまっていましたが、まだまだ終わっていないのだと、人にも動物たちにもまだまだ多くの問題が残っているのだということを改めて思い知らされました。ツバメを身近で見かけることは多いですが、人の生活をツバメの暮らしがここまで深く関係しているとは考えておらず、とても興味深いお話でした。
多かれ少なかれ野生動物と人とはどこかで何らかの関係を持っていることはわかっているが、ツバメがまったく見られない街の様子を聞いて今見ているツバメたちが一段といとおしくなりました。
放射能の影響についてツバメという小動物にスポットをあてると、何かしらの影響があることがわかりました。もとのように戻すには、かなりの時間が必要なのだと思うと同時に世の中の人々の意識から関心をなくしてはいけないと思いました。小さな生き物に目を向けることが大切だと思いました。
記録として写真を残すことの重要性を再認識しました。ツバメの巣材に使われている土にセシウムが高濃度で含まれているという情報もあり、それを理由に巣を落とす人もいると聞きます。佐藤さんたちの研究活動が、福島の人々とツバメたちが受けている風評被害をなくす役割を担っていかれることを願っております。