野鳥の捕獲方法
色々な状況から見て保護することが必要だと判断されたとき、何に注意をすればいいのでしょうか?
★優先順位1
危険なところからの救出、足の爪が鋭い猛禽類の捕獲、クチバシが鋭いサギ類の捕獲など油断すると大けがをする事もありますので、第一に保護をする人の身の安全を最優先してください。
野生動物にとって捕まることは死を意味します。一見具合が悪そうにしていても、いざ捕まえるとなると思わぬ反撃をすることがあります。
★優先順位2
暴れることによって体力の消耗をさせたり、症状を更に悪くしてしまうこともありますので、素早く確実に捕まえてください。また、鳥によっては人間に捕まることでショックや血圧の上昇で死んでしまうことや骨折してしまうこともあります。
●具体的な方法
○猛禽類
一般の人は鷹類の鋭いクチバシに目がいきがちです。確かに噛まれればかなり痛いですが、一番注意すべきところは脚の爪です。一度掴まれたらペンチで外さなければならなくなります。革製の手袋があれば着用してください。
出来るだけ目の細かいタモ網、バスタオル、上着、Tシャツなどを用意し頭から覆い被せます。
脚に注意してそのまま段ボールなどに入れます。
○サギ類
人の目をめがけてクチバシで突いてくるのでとても危険です。
鷹類と同じくタモ編み、バスタオル、上着、Tシャツなどで覆い被せるようにして捕まえます。
頭やクチバシを押さえ、そのまま段ボールなどに入れます。
○その他の小鳥
危険はありませんが、むしろ力を入れすぎて骨折や窒息をさせたりしないようにして下さい。
胸のところを強く押さえると息が出来なくなってしまいます。
カモ類は翼の力がとても強いので、確実に翼を押さえ込みます。
また、羽の骨折などの場合には羽ばたかないように翼を押さえるようにしましょう。
●野鳥の運び方
野鳥を手に持つ時間を最小限にするため、捕まえたらなるべく早く段ボール箱等に入れます。
この時、鳥かごに入れる人がいますが、鳥が暴れてクチバシや羽を痛めてしまう事が多いですので絶対にやめましょう。
★どの位の大きさが良いのか
Oクチバシから尾羽までが収まるくらいの長さで、鳥がすっぽりと収まる大きさが適しています。
窮屈でかわいそうと思うかも知れませんが、大きな箱だと鳥が暴れてしまい症状が悪化してしまいますし、保温をすることを考えると小さな箱の方が有利です。もし、ちょうど良い大きさの箱が無ければ空いているスペースに保温用のペットボトルや小さな箱、タオルなどを折って調節をします。小さな鳥でしたらティッシュペーパーの箱などが利用できます。
★外出先で保護をすることになったら
Oコンビニやスーパーなどで箱をわけてもらえます。
O保温用にホット缶飲料やホッカイロを使うことも出来ます。
★箱の中には何を入れるのか
O新聞紙やティッシュペーパーなどを敷きます。
O保温の必要があればお湯の入ったペットボトルやホット缶飲料をタオルなどでくるんで入れます。ホッカイロを入れておくのも有効です。
O餌や水は入れません。運んでいる最中に水がこぼれて鳥の体が濡れると衰弱してしまいます。
★他に注意すること
O箱の側面などに小さな空気穴をいくつか開けましょう。
O鳥が逃げ出しそうな大きな穴(取っ手など)はふさいでおきましょう。
O運んでいる途中で鳥が元気になって飛び出してくることがあります。箱のふたはガムテープなどでしっかり止めておきましょう。
Oサギなどの鳥を入れた場合は箱の隙間から攻撃をすることがありますので覗き込まないで下さい。
O車で運ぶとき車内の温度や騒音に注意しましょう。
鳥にとって気持ちがよい温度になるように保護をした箱の置き場所を考えましょう。また、カーステレオをガンガン鳴らすと音で鳥が興奮して騒ぐことがあります。